見送る青空

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ほう日向にとって自分の行動を害されるのはよほど気に入らない事と見えるな。 その証拠に口ごもり動揺する生徒に向かって無表情で蹴りを―――― 「って、何してんだこの馬鹿が!!」 ついていけない状況につい傍観という立場に浸っていたが、流石に俺の目の前で暴行事件が起きようとするのは見逃せない。 先程のカマ野郎と同じく、いや、それよりも勢いよく立ち上がれば椅子がガタリ傾いて後ろに倒れる。 位置的にも不利なのは重々承知だ。 名前も碌に覚えていないクラスメート…確か田中だったか? を、突き飛ばすようにして位置を代わり、日向の蹴りをなんとか受け身を取り受け流す。 体格差が激しかった田中よりも俺の方が日向と劣らないため、幾らか衝撃や怪我の度合いも違うはずだ。 だから「キャアッ!」とか声をあげた田中。 傷跡がとか騒ぐな。 寧ろかすり傷程度で済んだことをもっと喜べ。
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