4章

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「姐はん…うちはもう助からへん……それに…助かったとしても園屋にはおれへん」 雲衣はこの店や女将たちを守れなかったことに、自分を責めていた。 『なに言うてはるんや?雲衣は園屋の、あちきらの家族でござんしょう?ここを出るなんてあきまへん…それにあちきを越えるまで死なん言うたは雲衣やないかぇ』 「姐はん…女将はんはまだ助かりますぇ…どうか女将はんだけでも……うちは姐はんの元で働けて嬉しゅうごさんした……」 雲衣はそれ以上話すこともなければ、笑うこともなかった。 『おさらばぇ……』 紗羅は大泣きした。 そして、先ほど別れた岡田を探しに行こうとした。 「紗羅………これは何だ」 そこには先ほど別れたはずの岡田がいた。 紗羅は思わず泣き出してしまった。 『うっ……女将さん…医者の所つれていくから……手伝って…』 かすれかすれ声の紗羅に岡田は何も言わず、女将を抱きかかえ医者の元へと急いだ。
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