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紗羅は涙を堪えながら、部屋を出た。
――…もぅ嫌だよ…失いたくないんだ…
ヒュゥゥ――…
荒々しい風が吹いた…
まるで紗羅の心を表すかのようだった。
どうして…?どうして女将さんが、雲衣が斬られなきゃならない?
どうして私は女将さんたちの側にいなかったっ!
誰が雲衣を殺したっ!
誰が女将さんを斬ったんだ!
ポツッポツッ――ザァァ
ふと気付くと激しい雨が降っていた。
『…タイミング良く降るんだから…っ――ゔぅっ』
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