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紗羅はその場に立って、顔を伏せていた。
着物は雨に濡れており、ずぶ濡れだった。
『―…ショウ……チキショウッ』
見つけたら…殺してやる。
紗羅の目は相手への怒り
雲衣が死に、女将が今生死の狭間にいることへの哀しみ
自分が守れなかったことへの悔しみ
そんな感情が表れていた。
「よぉー嬢ちゃん。何してんだ?俺らと遊ぼうぜ」
4人の浪士が紗羅に話しかけてきた。
紗羅は気付いていないらしくまだ顔を伏せ、泣いたままだった。
「聞いてんのか……って泣いてんじゃん(笑)」
「悲しいことでもあったのか?なんなら俺たちが慰めてやろうか?」
「お前ら喰うのはえーからなぁ(笑)」
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