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黒板に名前を書き終わり、青年はチョークを置き、皆の前を向く。
一神夜一
「!!」
その文字を見た途端、華紅夜は何故か見覚えのある予感を感じ、一瞬だけ目を見開いた後、すぐに細めもう一度見た。
「神夜です、特技はありません、以上」
「はい、神夜君は大人しい子ですが、本当はとても心優しい子なので、皆さん仲良くして下さいね」
話が終わろうとしていた途端、華紅夜の後ろの席にいた男子生徒が手を上げる。
「はいはーい!!質問ー!彼女とかいますかー!!」
「彼女?」
神夜は低い声で、答える。すると次は、考え込んでいた華紅夜を無理やり立たせた。
「ふぇっ!?」
「いなかったら、この子なんかどう?、まだ彼氏いないらしいよー!」
「ちょっ!!馬鹿!」
彼氏がいない事を馬鹿にされ華紅夜は顔が真っ赤になり、生徒は笑った。
「あ!あたしは友達感覚で接していいから!!ね!」
「…」
「はい!静かにしなさい!!」
担任の二度目の注意に、生徒達の興奮は次第に収まった。
「じゃあ、神夜君の席は…あっちね!」
担任にいわれると神夜は黙って自分の席へと向かう。
「よろしく、華紅夜さん」
突然神夜に話しかけられ、驚いた華紅夜は振り向いて。
「よ、よろしく…」
そう言った後、席に座った。
彼が座った席は華紅夜と隣りだった。
「よっ!ラブラブ~!」
隣りになった事でまた後ろの男子生徒が言い生徒がまた笑うと、華紅夜はまた顔を赤くした。
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