†LESSON1†

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・誰も立ち入れない孤独の世界  一方、要因が孤独感と劣等感である場合は「今の自分をやめたい」という心理が引き金になる。 こちらにも例を一つ… 『某中学生のBさんは、小学生の頃から虐めにあっていた。しかし大人しいBさんは決して親に虐めを相談できなかった。登校拒否になりかけた事もあったが、事情を知らない親に叱られ、臆病な性格から無理矢理学校へ通い続けていた。虐めの恐怖とストレスから勉強に集中できず、成績も停滞して行った。 そして中学に入り、虐めはエスカレートし、勉強が難しいくなると、ますます成績は下がった。これが原因で親に小言を言われる事も増え、この頃のBさんは、家と学校を無口に行き来だけしていた。そしてある日の放課後…Bさんは突然学校で自殺した。』 Bさんが小学生の頃は我慢していた毎日を、なぜ中学生のある日に見切り付けてしまったのか…? 実はBさんは、小学生の時からすでに何度も「死にたい」と感じてはいたのだ。 大人しい性格で口数が少ない、内向的なBさんは学校での虐めを深く、重く感じ取っていた。しかし天然臆病だった為、親や先生に打ち明ける事はできなかった。そして、親に登校拒否を叱られた時から、Bさんの世界は孤独になっていった。 学校へ行かない理由を、Bさんは「友達がいない」と答えたらしい。これだけでは虐められてるとは思い辛い。だから当然「自分から寄って行って仲間にいれてもらいなさい」と、親は言ってしまったのだが…この「友達がいない」はBさんのたった一度のSOSサインで、これが臆病なBさんの「精一杯」だった。 サインを見逃した親に信頼を無くした時…ここからBさんの孤独の世界が始まった。「誰も分かってくれない」Bさんの心は一人閉じこもったが、生活では自室もなく閉じこもるず、学校と家を往復し続けた。 虐めと孤独から逃れたくて「死にたい」と感じたのはこの頃から…しかし「痛い、苦しい」未知の恐怖がBさんを思い留まらせていた。  そして中学に入り…虐めはエスカレートし、「虐めも死もどっちも痛い、苦しい。けど死は一度きり」と、死への恐怖は鈍くなて行った。上乗せして下がる成績とそれを叱る親に対し劣等感が強まり「自分は世の中のいらないゴミ」と思うようになった。  そして劣等感は死に対する恐怖を鈍くするのを手伝い…死に対する恐怖を上回る程「今の自分で生き続ける限り、痛い苦しい淋しい」と感じた時、自殺を決行してしまった。
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