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・第三者と環境で決まる
鬱病の要因も自殺への心理の経路も、二者は根本的な生活から違いがあるが、一つだけ共通なのは
『鬱病は一人じゃ治せない、自殺は一人じゃ止まらない』という事。
家族や職場、学校等、周囲の理解と協力が当然、必要となる。
前者のケースに対しては
・同僚や上司の方から、働きすぎを気にかける。
・家族は精神状況、体調の変化を気遣う。
・仕事を辞めても安心できる環境をつくる。
等といった周囲の協力を、できる範囲の中で主治医と関係者が一緒に取り決めて、鬱病の再発を防がなくてはならない。
後者の場合に関しても
・自信を持たせる言葉を選んで使う。
・家の中で家族同士が責め合わない。
・無理のない状況で転校や転職をする。
等といった協力を主治医と関係者が一緒に取り決めて行くのが望ましい。
こういった「環境を整える」交渉等をする時、患者当人に限ってはかやの外に出しておく必要がある。「迷惑をかけた」等と、マイナスにしか受け止める事が出来ず、自己嫌悪に陥る危険が非常に高い。
とはいえ「とりまく環境」が健全である限り、鬱病になる人はいないのも事実。従ってどうしても周囲から環境を変えて行く必要は免れない。
そうは言っても、会社には会社の…学校には学校の…といった「事情」というのもある事だろう。
主治医と家族は、患者が会社や学校を休んでいる間に、何度も会社や学校をはさんで改良策を見つけ出して行く必要がある。主治医一人がどんなに患者を元気にしてくれたところで、周囲の協力性がない限り患者が完全に立ち直る事はない、と言っても過言ではないだろう…
鬱病患者には家族のいないケースもある。この場合、天涯孤独な患者に対し、主治医が一人家族の代わりとして「職場や学校」に理解と協力を求めるだけでなく、「患者が一人じゃなくなる道」についても考えてあげる事が望ましい。
環境が変われば、心境も変わる…「自殺をしなければならない状況」が無くなれば、彼らはもう自殺する事はない。
彼らは決して「死にたい」なんて思ってはいないのだ。
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