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・孤独の鍵は状況証拠
現実のところ、全ての鬱病患者に主治医がいる訳ではない。
例にあげたBさんのように、死ぬまで誰にも打ち明けない人も多い。当然ながら、Bさんのようなタイプの人が、自主的に治療に努める事はまずない。それどころか、家族が説得しても全く効果はない。
こんな彼らに対しては…まず、家族や友人が「鬱病をかかえてる事」を見抜く必要がある。方法は彼らの生活態度の中から、状況証拠を見つけ出す事が可能だ。
・欠勤、欠席がやたら続く
・口数が少なく、必要な内容でさえ会話を嫌う
・人といる事を避け、一人でいたがる。
・人と目を合わせられない。
これらの3つが該当する場合は、鬱病を疑っていい。鬱病かも知れない相手には、一度だけ自主的に相談を聞く姿勢をとってあげるのが望ましい。場合によれば、相手は素直に相談して来る確率もあるからだ。
もし、ここできちんと相談を受ける事が出来れば大丈夫。鬱病になる前に対処方法に向かっていける。
もしここで避けられたり、拒絶された場合は…相手は完全に鬱病になっている。
こね場合は、何をやっても相手を治療に向かわせる事はできない。彼らの性格上、身内にさえ話せない事を他人に言う事は無理に等しい。
この場合は…鬱病に気付いた家族や友人が精神科へ赴き、担当医に患者の有りのままを相談する必要がある。
担当医はこの時、二通りの選択を迫られる。「患者を通さずに、家族や友人達と環境改善を進める」か「それでも患者当人に会い、直接当人とも話しながら環境改善を行う」のか。
もし患者に会って話すなら、担当医は「医師」では無く「身内として」近付いて行かななくてはならない。患者が担当医を見る目が「医師」から「頼れる友人」にならない限り、彼らは閉じこもり続けようとする。
彼らは自己嫌悪から、周囲の人と自分の間に境界線を引き、「自分だけが特別何もかも悪い」と思い込んでいるから、家族や友人は医師と協力して積極的に患者を「最下層の心理」から引き出す必要がある。
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