第二章

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卒業式も終わり、この俺…平沢玲は高校が始まるまでの間時間を持て余していた。 どれ春休みのハプニングでも話すかの。 ちなみに俺は桜山中学三年だ、と言ってもあと一週間も経たないうちに中学は卒業しちまうがな。 まあ修了式が終われば春休みが来るまでしばらく辛抱だ。 ちなみに今、俺はお茶の間で先日行われた公開処刑を回想している真っ最中である。あの時は友人の…いやくそったれに見られた、鬱だ。 「れっくん!またやかしちゃったんだってー?」 「…なんじゃー!?黙れ唯姉ぇ!」 登場して早々に痛いとこを突きやがるこの少女は俺の姉である。ちなみに高校一年生。 名前を人は、 平沢 唯と呼ぶ。天然ボケっぷりでハンパない姉だが顔は可愛い。いや、言わざるを得ない。 「これで中学時代に振られた回数って何回目なの?」 「…20回は超えたよちくしょう!そんなに俺ってダメですか!? こんな年ですでに初音〇クとか聴いてるからですか!?それともパソコンに詰まった萌え画像が悪いんですかー!?」 俺、平沢玲は恐ろしい程女の子と縁がない男である。 どのくらい縁がないかと言うと地球と冥王星くらい縁がない。 中学時代に振られた回数はついに20を越えた、一年間に5回しか振られてなかったのに三年で新記録を出してしまった。 ちくしょう……卒業式だから賭けていたのにあんまりだよ…。 「まぁーまぁーれっくんには私がいるよっ」 「うれしくねぇー!いくら姉ちゃんが可愛いからって身内だろ?身内からの励ましは俺を苦しめるから!」 「じゃあ憂がいいの?」 「なんでそっち!?禁断の恋愛しろって言いたいんですか!唯姉さんは!」 ちなみに憂とは俺の妹……と言っても俺の方が僅かに早く生まれたため妹をやっている。
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