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「まったく……宴会でもないのによくああやって騒げるよなぁ……」
「まぁ、いいじゃねえか。元気がある証拠だ」
「そりゃそうだけどさ……」
緋真たちが来たことで大広間の連中は大人しくなる…ワケがなく、先程までではないが、また騒いでいた。
「筆頭と姐さん、今までどこいってたんスか?」
「久々に聞いたなぁ。姐御の怒鳴り声」
「小十郎様はどうしたんです?」
矢継ぎ早に問いかけてくる、兵士たちに緋真と政宗はテキトーに答えていく。
「剣術の稽古つけてもらってたの」
「小十郎は畑に用があるn「すっげぇ!
緋真姐さんも、オレたちと一緒に前線に出るんスか!?」
「今まで戦場について来たとしても、本陣で後方支援だったからなぁ……」
「でも、筆頭が許さないんじゃ?」
「バカ野郎。
政宗様と稽古してるんだぜ?
知ってるに決まってんだろ。
むしろ許さないのは、小十郎様じゃね?」
「あー、そーかもなぁー。
大事な主の大切な人だからな~」
政宗の言葉は、兵士の大声にかき消され、誰の耳にも届かない。
ふてくされたように無言で朝餉をかき込む政宗の周りがさらに大騒ぎになり、再び緋真の大怒号が大広間に響き渡ったのは、言うまでもない。
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