日常

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ゆらり。 前に倒れるような動きを見たとたん、小十郎は反射的に刀を抜き、縦に構え峰の上辺りに右手を添える。 それとほぼ同時に――。 ギィン 金属音が響き、小十郎の腕に衝撃が走る。 緋真の手には、札から取り出したのであろう真っ白な刀がある。 『妖刀・白蓮』 妖のみを斬る刀。 つまり――――人間は斬れない。 (なぜそのような刀で………) いくつもの斬撃をひたすら防ぎながら、小十郎は眉間に皺を寄せる。 その答えは、すぐに出た。 ひときわ大きな一撃の衝撃を利用して、一旦距離をおいた緋真は、刀を両手で握り水平に構える。 そして、ゆるりと腰を落とすと、上半身を軽く捻る。 そして、突きと同時に出されたのは―― 青緑色の雷の塊だった。 .
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