【ある人喰い鬼のお話】

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彼は自分が人喰い鬼だと知るのにそう時間はかかりませんでした。 獣の肉より人の肉の方が何倍も美味しく感じられたからです。 それから彼は喉が渇けば人の生き血を飲み、腹が減れば肉を喰らい続けました。 彼はその時自分が人喰い鬼である事を不幸だとは思っていませんでした。 否、不幸という言葉すら彼はまだ知らなかったのです。 その言葉を知ったのは数年後。 時空嵐に巻き込まれ、地球というナリスとは別な世界に飛ばされてからでした。 *
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