契約

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「あなた、死ねるって言ってたよね?」 「へっ?!」 唐突すぎる訳の分からない質問に彼女は間抜けな声をあげた。 「だから、今日の夕方に誰かと話ながら“死ねる”って言ってたじゃん?」 フローラも説明(?)に加わった。 「何の話か全然分からないんですけど…てか、どちら様ですか?」 今まで喋らなかった彼女が疑問を口にした。 「…悪魔」 ラズリがめんどくさそうに答えた。 「はぁ??」 彼女の頭には“?”がたくさん浮かんでいる。 「つまり、あなたの願いを一つ叶えてあげるから、魂チョーダイって言ってるの。」 いきなり悪魔と名乗られて、それを信じる人間は少ない。と、いうかほとんどゼロだろう。 しかし、3時間もフローラに連れ回されていたラズリは肉体的にも精神的にも疲れていたため、さっさと終わらせたかったのだ。 しかし、彼女の口からでた言葉はラズリたちが望んでいるものではなかった。
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