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部屋に入った途端、自然と背筋が伸び姿勢が良くなる。 信玄公の威圧感か。 何回来ても馴れないな。 幸村は常に姿勢が良いからな。 威圧されてるのかされてないのか分からない。 とりあえず信玄公に戦果を報告するか。 座っていても分かる程の巨体。 鼻の下に生やした髭が特徴的な、堂々とした大男。 この人が【武田信玄】。 通称【信玄公】。 武田軍の総大将。 強さで言えば俺なんか足下にも及ばない。 「して、前田慶次。 此度の戦はどうであった?」 言葉を発するだけで重力が増したような感覚に陥る。 水分が無くなり渇ききった喉からなんとか声を出す。 「はっ。 敵勢14000と戦い撃退に成功しましたが、600余りの騎兵を失いました」 ふう… 話すだけで疲れるな。 「そうか、ご苦労であったな。 さて、幸村よ。お前を呼んだのは他でもない。 お前に密命を言い渡す」 密命? 雇われの身の俺がいるのにそんな話して良いのか? そんな俺の心配を他所に話を続ける。 「密命とは何でございま・・・ !!!!!?
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