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「出陣じゃ！
上杉を傘下に入れるぞ！」
「はっ！」
勘助さんは一瞬戸惑ったような表情をしたが、信玄公の決定には逆らえないようだ。
「続いて戦の詳細を説明する。
目標は謙信の居城【春日山城】。手っ取り早く上杉を支配下に置く。
勘助は一万、昌幸と信房は八千ずつ、幸村は五千、前田は四千の兵を率いて向かえ。
出発は一時間後、総大将は勘助じゃ」
「お館様はどうなさるのですか？」
「儂か？
儂はここで待っておる」
信玄公の発した言葉に俺を含めた全員が驚いている。
いつも戦の時は決まって出陣するのに。
しかも相手は因縁の上杉。
出陣しない訳がない。
何か事情があるのだろうか？
聞いてみたが、「皆の成長が見たいんじゃよ」と笑いながら返された。
本当にそれだけか？
嫌な予感がしたが、気のせいだろう、と気にしない事にした。
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