春日山城

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それにしても、何故信玄公は今回の戦に参加しなかったのだろう。 いつもならどこと戦う時でも総大将として出陣するのに。 しかも今回の相手はあの上杉。 戦の度に謙信公と一騎討ちを繰り広げ、その度に双方重症を負う。 今まで死ななかったのが不思議なくらいだ。 さらに戦が終わり、ある程度傷が癒えると、酔い潰れるまで二人で飲み明かす。 そして朝になると二日酔いで頭痛がひどいとか言って、勘助さんと幸村に支えられて帰城する。 それなのに何故、来なかったのか。 嫌な予感がする。 だけど、今さら戻る訳には行かないよな。 あと数十分で春日山城に着くし。 それまで寝るか。 「なぁ、そこのお前」 近くにいた兵士に話しかける。 「俺の馬に乗ってくんない?」 「はい?」 「いや、俺ちょっと寝たいからさ。 後ろに乗るから代わりに手綱引いてくれよ」 「は、はあ・・・ 承知しました」 互いの馬を寄せて、兵士をこっちに引き寄せ手綱を持たせる。 さて、寝るか。
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