前田慶次

8/9
前へ
/45ページ
次へ
腕を高く振り上げ全力で降り下ろしてきた。 俺は朱槍を力一杯長刀めがけて振るう。 朱槍と長刀がぶつかり合い、衝撃で直江の持っていた長刀が飛んでいく。 それと同時にバランスを崩した直江は落馬する。 地面に倒れている直江の首に朱槍を突きつける。 「残念だったな。俺の勝ちだ。 それにしても、あんたなかなか強いなぁ。 どうだい?俺の仲間にならないかい?」 「仲間だと!?笑わせるな! 私には上杉という誇れる居場所がある!」 「じゃあ仲間にならなくて良いからさ、 友達になってくれないか?」 「友達・・・だと?」 お、脈ありかな? このまま攻めてみるか。 「ああ。 お前が助けが必要な時はすぐに駆けつけるから、お前も頼むよ。 ただそれだけの事だ」 なかなかの提案だろう? 直江はしばらく思案する。 そして顔を上げ、 「それだけなら良いだろう! では今から私達は友だ! よろしく頼むぞ慶次!」 慶次ぃ!? いきなり呼び捨てかよ。 まあ、良いか。 俺も兼続って呼ばせてもらおう。 「じゃあ、今は双方退却ということで」 そう言って俺達は別れる。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加