第1話

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「井上さん。」 肩を叩かれて振り向くと、石田くんがいた。 「石田くん…おはよう!」 「おはよう。」 石田くんが黒崎くんを見る。 「あいつ…まだダメなのか?」 「…うん。」 あたしはうつむいた。 「仕方ないか。 無くしたものがありすぎる。」 無くしたもの…。 「……あたしたちで支えてあげなきゃね!」 「そうだね。」 黒崎くん…。 どうしたらいいの? 今の黒崎くん…破面と初めて闘った時みたいだよ。 嫌だよ。 そんな黒崎くん見たくない。 今までみたいに笑ってよ。 朽木さんがいれば…笑ってくれるの? だったら…。 「井上さん、早くしないと遅刻するよ?」 .
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