0人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
その日ラカンは、酷く落ち込んでいた。
午前中に行われたガーディアンの試験には受かったものの、トップ通過を果たせなかったからだ。
―‐ガーディアン‐―
ラカンの住むアルディア国に古くから伝わる、国を守護する部隊・・・すなわちエリートだ。
幼い頃からラカンは、ずば抜けて高いオーラと呼ばれる闘気の資質を持っており、事実この国の同世代に負けた事がなかった。
しかし今日、ラカンは初めて敗北したのだ。
「まぁ、勝ち負けも時の運と言うからな」
ラカンを慰めているのは、ラカンに勝った親友のジェイスだ。
実際、彼が勝ったのは運と言う他に説明が出来ないものだった。
ジェイスがラカンに向かい走りだした時に、靴ひもが解け転倒した。
そこにちょうどラカンが躓き、慌てて起き上がったジェイスの頭突きがラカンの顎に当たった。
如何に強いオーラを持つ者でも、顎だけは弱い。
ラカンは気を失い結果、ジェイスが勝ったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!