守護の証

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その日ラカンは、酷く落ち込んでいた。 午前中に行われたガーディアンの試験には受かったものの、トップ通過を果たせなかったからだ。 ―‐ガーディアン‐― ラカンの住むアルディア国に古くから伝わる、国を守護する部隊・・・すなわちエリートだ。 幼い頃からラカンは、ずば抜けて高いオーラと呼ばれる闘気の資質を持っており、事実この国の同世代に負けた事がなかった。 しかし今日、ラカンは初めて敗北したのだ。 「まぁ、勝ち負けも時の運と言うからな」 ラカンを慰めているのは、ラカンに勝った親友のジェイスだ。 実際、彼が勝ったのは運と言う他に説明が出来ないものだった。 ジェイスがラカンに向かい走りだした時に、靴ひもが解け転倒した。 そこにちょうどラカンが躓き、慌てて起き上がったジェイスの頭突きがラカンの顎に当たった。 如何に強いオーラを持つ者でも、顎だけは弱い。 ラカンは気を失い結果、ジェイスが勝ったのだ。
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