変化する心

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変化する心

青年は、先ほどの2人の事を思い返していた。 自分と似た形の剣を持ったラカンと名乗った少年と、ジェイスと名乗った少年の事を・・・。 その剣が目に付いた瞬間、体が反射的に動き2人を救った事を。 自分の中に、何か手掛かりがあるのではないか?断片的な記憶の中に、何か答えがあるのではないか?そんな気持ちが生まれた。 老人の記憶の他に、まだ記憶が存在していた。 どこまでも続く砂漠・・・砂嵐の向こうに見える古びた街と、手前にあるオアシスらしい場所。 自分の他に数人の同じ鎧を身に纏った者達・・・。 記憶を辿るのを恐れ、魔物を狩る事で心の渇きを誤魔化してきた。 だが・・・あの2人の事が頭から離れない。 もしかしたら、途切れた記憶を辿る事で、渇きは癒されるのではないか・・・今まで逃げてきた答えと今、向き合う時ではないか。 青年は、場所こそ分からないが、記憶の中の砂漠に惹かれ歩みを進めていた。
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