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「高杉さん、なんか有ったんか?一人とは珍しいのう。」
「龍馬、桂には言わないでくれているようだな。」
俺がそう言うと龍馬は真剣な顔をした。
「高杉さんと約束したきに。」
「ありがとうよ。」
「じゃが高杉さん、あんま無理すると体に毒ぜよ」
龍馬は心配そうに俺の顔を見てきた。
「いまさらに 何をかいはむ遅桜 故郷の風に 散るぞうれしき」
俺がそう短歌を詠うと龍馬さんは、ジッと俺を見つめた。
「死ぬとき、そん時はそん時だ。寝込んだまま死ぬんだったら、俺は倒れるまで奇兵隊を止めねえ。」
(もう後がねえ……)
自分の体だから自分が一番わかる。
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