一章-EXTRA STORY-【雛鳥-baby bird-】

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 アリスとの死闘から早三日。 「優人さん、完・全・復・活!」  俺の傷は完全に治ったのだ。 「撫子に我が家で監禁されてるけどなァ!」  どうしてこうなった。  ど う し て こ う な っ た !  俺はただ、アリスとの限界バトル後にクレハから治療と見せかけた追い撃ちを食らい、「ドジッ娘は危険です。カレン嬢にチェンジを要求する」と言ってカレンに軽い手当てをしてもらってから帰路に着いた。  しかし何故か我が家に着いた瞬間に背後から来るもう一人の男に気付かずに気絶させられ、気が付いたら子供になっていた。………あるぇ? 途中から精神年齢が高校生の子供探偵になってるんですが。もう優さん意味が解りません。  訂正しよう。  我が家に着いたら背後からスタンガン片手に持った義妹に背後から襲われて、気を失う寸前で「ワタシは……間違ってなかった……」とだけ言ってブラックアウトし、目が覚めたら天草家のLDKで椅子に縛られていたんだっけ。  んでその後は悪びれた様子のないリア充の悪夢と化したなでにゃんに手厚く介護をされて生き延びていると。  んでその狂愛神なでこぎんがなむさんはただいま俺を放置プレイにして悠々とお買い物に行っていると。成る程、狂ってやがるぜ。俺の義妹、狂ってやがるぜ。  ちなみに排泄面は大人の事情で言いたくありません。尿瓶とオムツ対応だなんて、言いたくありません。………………orz。  こんな高校生活、したくはなかったよ……。 「兄さん、ただいまです」  俺が心で静かに男泣きしていると、突然背後から気配を消して元凶さんが現れた。お義父さん、魔王が現れました。貴方の娘です。  白いスーパーの買い物袋を持った白く華奢な身体で大和撫子な少女が目の前に姿を現す。黒と白を合わせた今時の服装に身を包むその日本人形みたいな体つき(しかしスタイル抜群)の少女が、誰もが魅了されても可笑しくない笑顔でボクに微笑む。寒気と鳥肌が旋律を奏でています。危険です。
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