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「義兄さんですから、愛さえあれば関係ないよね!」
「兄妹愛はね!」
「え? 狂堕慰愛? 愛の背徳心に狂い堕ちた兄妹が真実の愛を確かめて慰め合うという意味ですね、わかります」
「何言ってんの?!」
ヤバイ、妹の言っていることが解らない! 此処は何処ですか? 異・世・界です♪ おお、勇者よ情けない。国王、テメエ他人事か! じゃ、お前が魔王倒せし! 魔王強すぎだし。
「なでにゃんさん、いい加減ボクを解放してよ! 踊らないけど奴等を解放せよ的なノリで解放してよ!」
「何言っているんですか?!」
「お前が何言ってんの?!」
説得不可。
そして本日も監禁は続くのだった。
◆◆◆
監禁生活四日目。
誰かがこの小説を読んでいる時、俺はもうこの世にいないだろう。遺書ですね、わかります。しかし、遺書を書きたくても手足が拘束されてるから何も出来ないんだよーぅ!
顔を上げ、壁掛けの時計を見る。
(四時……かぁ。撫子は買い物に行ってて、平日だと五時前に帰って来るぐらいか)
しかしこのまま監禁状態が続くのはヤバイ。何がヤバイかって? 知り合いが家に尋ねてきたら警察沙汰になってしまうからヤバイんだよ!
折角苦労してカレン説得してアリス撃破したってーのに、最後の最後で我が家の最終兵器が全ての努力を泡に変えてしまうじゃないか。マズイじゃないか。かー。
「……………なんとかしねぇとなぁ…」
「――お困りのようじゃないか、優人氏」
ビックゥゥゥゥゥ!!!
「!?!?!?!?」
後ろから聞き覚えのある凛としたゴッドヴォイスが聞こえてきた。
う? え? は?
優人さん混乱中。しばらくお待ちください。
・
・
・
「アリス?!」
「そう、生意気バディのアリスお姉さんだ。と言うか、私の名前を呼ぶまでの間はなんだ? お姉さんにいやらしく教えてくれ」
「初っぱなから飛ばしますね!」
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