序章。

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でも。 実際は真面目過ぎで不器用なだけでクールでも冷淡な人でもなく。 どちらかと言えば世間知らずで天然で、優しい人だ。 それが、わたしの旦那さま。 わたしは、常盤坂 祈里――。 特筆して美人でもなく、頭も冴えてるわけでもない。 ドジで、何の取り柄もない平凡な女子高生、……だった。 「あ、帰りに写真立てを撫子ちゃんと買いに行くんだ。少し遅くなるね?」 テーブル上には、結婚式の時に撮られた写真が裸のまま置かれてあった。 そう。 わたしは4月に、この真継君と結婚したのです。
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