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眩しい。
ぼんやりと微睡みから醒めていた。
身体がふわりと宙に浮くような、そんな心地よさ。
肩に回された腕が温かくて 真継君の匂いを無意識に記憶から引き出していた。
……ん。
やっと目を開けた。
蛍光灯のついた明るい部屋、わたしはスーツ姿の真継君に掬い上げられ、その両腕の中にいた。
そして、はっきりと意識が戻る。
「ま、真継君?」
「大丈夫か?熱があるようだ、布団を敷くからそこで寝た方がいい」
慌てて時計を見ると、夜中の3時だった。真継君、確か泊まりだったんじゃ…。
「電話で祈里が元気がなさそうだったから。仕事の目処をつけて、すぐに駆けつけた。やはり、風邪だな」
真継君に迷惑を掛けてしまって申し訳がなかった。
でも、わたしは嬉しかった。
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