至福の時。

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「ごめんなさい…。わざわざ」 わたしは謝った。 仕事だけは邪魔をしたくなかったから。 真継君はわたしを床に寝かせると、一息ついてネクタイを緩めた。 「………明日の仕事は、私の代理で慶吾に任せてある。夫婦なら付き添って看病するものだ。構うな」 「ありがとう…」 改めて熱を測ると、思いの外 高熱で。 わたしは目を開けてるのも辛くて、すぐに眠った。 真継君に、明日の学校は大事をとって休むように言われた。 眠りにつく前に、 真継君が冷たく濡らしたタオルを、熱い額に乗せてくれた。 それが冷たくて 心地よかった。
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