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台所の、何やら料理をする音でわたしは目覚めた。
朝。
昨日よりは熱も下がったみたいだけど、まだ身体が重くてぼんやりする。
布団を出て、ひょいっと台所を覗くと 真継君がいた。
真剣な顔で、鍋をかき回していた。
――もう8時かあ。
あまり学校を欠席したことがなかったから、こんな時間にまだパジャマなんて 変な感覚だった。
「あ、祈里か…。おはよう。身体は大丈夫か?」
真継君に気づかれてしまった。
わたしは苦笑する。
「だいぶ。心配かけてごめんね」
「いや。ああ、ちょうど粥が出来たところだ。食べるか?」
やっぱり、わたしのために作ってくれてたんだ…。
嬉しいなあ。
わたしは笑った。
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