至福の時。

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        * 台所の、何やら料理をする音でわたしは目覚めた。 朝。 昨日よりは熱も下がったみたいだけど、まだ身体が重くてぼんやりする。 布団を出て、ひょいっと台所を覗くと 真継君がいた。 真剣な顔で、鍋をかき回していた。 ――もう8時かあ。 あまり学校を欠席したことがなかったから、こんな時間にまだパジャマなんて 変な感覚だった。 「あ、祈里か…。おはよう。身体は大丈夫か?」 真継君に気づかれてしまった。 わたしは苦笑する。 「だいぶ。心配かけてごめんね」 「いや。ああ、ちょうど粥が出来たところだ。食べるか?」 やっぱり、わたしのために作ってくれてたんだ…。 嬉しいなあ。 わたしは笑った。
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