至福の時。

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「こっ、これまた独創的な……」 ドンブリに不恰好に、怪しい色をしたお粥がたっぷり。 相変わらず、男の料理的な…。 わたしは苦笑しながら、でも嬉しくてたまらなかった。 「味は意外においしいかも」 「…良かった」 真継君が笑った。 最近仕事で疲れていたみたいだから、こんな風に笑ってるの 久しぶりにみた。 「野村から、風邪なら粥でも作ってやれと言われた。あと、昨日 帰りに栄養剤と薬と……」 脇にあった袋から、次々にいろんなものが出てきた。 真継君、わたしが体調悪いと気付いて ほんとに急いで帰って来たんだ。 そんなに風邪薬や頭痛薬を大量に買って、栄養剤もたくさん……。 ……嬉しいなあ。 「ああ、そうだ。」 真継君は、わたしに身体を向けた。
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