至福の時。

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「薬、まだ飲んでなかったな」 ? だいぶ 楽になったから、平気だとも思うけど。 首を傾げると、真継君は大真面目に言った。 「…薬というのは、口移しで飲ませるものだろう?…」 真継君は、じいっと薬を見つめていた。 わたしはギョッとする。 「や、どうかな。今時それは…、あははは」 慶吾さんか誰かが、またあることないことを…。 真継君は、迷いもせず水と一緒に薬を口に含み 動揺していたわたしを強引に布団に横倒した。 わたしは手足をジタバタさせる。 「じ、自分で飲めるから!あ、あのっ…」 真継君は無言のまま、わたしの口を塞いだ。 薬がわたしに伝ってきた。 わたしは思わず飲み込んでしまう。
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