至福の時。

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――ピンポーン… タイミングがいいのか悪いのか、ちょうどインターホンが鳴った。 押し倒され、すんでだった。 わたしは顔を真っ赤にしながら、慌てて真継君から離れ 玄関に直行した。 「祈里ちゃん、こんにちは。お見舞いに来ました」 撫子ちゃんと、七美と司だった。 今日は委員会があるだとかで、早くに授業が終わるんだった。 わたしは真っ赤な顔を堪えて、笑った。 「元気そうじゃない、祈里」 「七美…、わざわざ来てくれて ありがとう。司も」 「今日出たアンケートと、連絡の紙。渡しに来ただけだから」 司は、つんとした。 「あ、上がって。お茶くらいならあるから」 撫子ちゃんたちは、部屋に入った。 真継君が気を利かせて布団をしまってくれていた。
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