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「どんなセレブな家かと思ったけど、案外庶民的ね」
七美は言った。
「真継君のお父様が、普通の家庭を真継君に教えたいらしくて…」
おじさまも、桜子さんとの駆け落ち当初は狭いボロアパートに住んでいたらしい。
世間知らずな真継君に、普通の家庭という概念を教えたいのかな…。
「素敵です。これが兄さんたちの愛の巣なんですわね」
撫子ちゃんは感動していた。
「わたしも、住川くんとなら どんな部屋でも幸せだと思うわ」
遠回しなプロポーズみたいな言葉に、司は赤くなりながらぶっきらぼうに返す。
「こっちはゴメンだ」
撫子ちゃんはしょんぼりした。
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