至福の時。

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「あ……あの。祈里ちゃん」 扉を閉めると、後ろに撫子ちゃんがいた。撫子ちゃんは笑ってたけど、どこか様子が変だった。 「撫子ちゃんも帰るの?良かったら夕食とか一緒にたべよ?おいしいの作るよ?」 「ええ。…お願いします」 それから、二人で夕食を作った。 真継君は、その間にノートパソコンを開いて仕事を片付けていた。 「…住川くんは、ほんとうに祈里ちゃんが大好きなんですね」 人参を刻みながら、撫子ちゃんは微笑んだ。 「え、えっと…」 「今日も、お見舞いに行こうって言い出したの…住川くんなんですよ?」 司…。 確かに、小学生の時も 病欠の時は司が宿題とか給食のデザートとか届けてくれた。 当たり前だったから気にしてなかった。
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