奥様はじめましたⅡ

二人。

　　　　　　　　＊

――金曜日、学園祭は明日が本番で、今日はリハーサルも兼ねた生徒だけの前夜祭だ。

わたしはクラスの茶屋の、手作りの衣装を着て はしゃいでいた。

「常磐坂さん、髪結った方が可愛いと思うよ」

クラスメートの女のコたちが、楽しそうにやって来た。

そして わたしを椅子に座らせ、髪を結ってくれた。

「あ、ありがとう」

「祈里、買い出し付き合え」

突然 裏方から来た司に腕を掴まれ、わたしは教室から出された。

「な、なんでわたし？」

「暇そうだから」

……むちゃくちゃだ。

ともかく、近所のスーパーに不足している材料を買いに行く事にした。