二人。

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平日の朝。 人も疎らなスーパーで、わたし達は茶屋で出す食材や紙皿をカゴに大量に入れた。 「……な、なあ」 司が複雑な表情で、口を開いた。 「あいつ、最近何か言ってたか?」 あいつ? 何の事か検討がつかなかった。 「え?」 「ふ、古崎だよ……」 撫子ちゃんの事か……。 「何も…。何で?」 司はカッと真っ赤になり、かと思うと強ばった顔をしてそっぽうを向いた。 「最近、元気ないだろ」 「へ?…そ、かな?」 クラスも違うし、そんなに一緒にいる訳じゃないから気付かなかった。
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