二人。

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買い物も終わった。 スーパーを出ようという時だった。 司が立ち止まる。 「…ちょっと待ってろ」 「え?何か買い忘れ?」 司は何も言わず 店へ戻って言った。 わたしは呆然と立って、司が戻るのを待っていた。 数分後、司は小さなレジ袋を手に提げて戻って来た。 中には菓子類が入っているようだ。 「それ、なに?」 「べ、別に……」 深く詮索せずに、わたしは学校へと戻った。 「あれ?…」 校門前に、これまた高そうな車が一台停まっていた。 そして 中から撫子ちゃんが出てきた。 「撫子ちゃん!」 声を掛けると、撫子ちゃんはわたし達に気付いて柔らかく笑った。
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