二人。

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「……撫子ちゃん?」 撫子ちゃんはハッとして、慌てて笑った。 「あ、…すみません。わたし、クラスに急がなければなりません。失礼します」 撫子ちゃんは会釈して、昇降口に向かって走って行った。 ――やっぱり、言われてみれば ちょっと元気ない…? 「撫子が?」 帰ってきた真継君に、早々訊いてみた。 真継君はスーツを脱ぎながら返した。 「特には何も聞いてない」 兄弟になら、何か言ってそうだと思ってたけど…。 それか、単なる司とわたしの思い違い? わたしは真継君のスーツを壁に片した。 それから、ぼんやり悩んでいた。
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