彼女の願い。

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新校舎へ繋がる渡り廊下を過ぎた所で、撫子ちゃんとばったり出くわした。 撫子ちゃんは酷くビックリしていた。 「古崎、お前、俺を呼んどいて何してるんだ?」 司は問い質す。 撫子ちゃんは目線を泳がせた。 「ごめんなさい」 突然 謝られる。 「クラスの方が忙しいんです。だから、住川くんと学園祭を回れそうにないんです」 司は、ぐっと唇を噛み締めた。 撫子ちゃんは下げていた頭を上げ、笑った。 「それで…、わたしのクラスの食事券です。二つありますから、祈里ちゃんと回ってください」 撫子ちゃんは司の手に、券を押し詰めた。司は呆然としていた。 「自分から誘っておいて、迷惑なやつ…」 そっぽうを向いた。
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