彼女の願い。

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撫子ちゃんは、わたしの手を取った。 「祈里ちゃん、お願いします。………きっと、貴女のほうが………」 絞るような切な声。 え…? 「……なんで、お前はまた……」 司は、聞こえないくらいの声で呟いた。 撫子ちゃんは笑うと、クラスの方に走って行った。 わたしは横目で司を覗いた。 司は何とも言えないまなざしで、遠くを見ていた。 司は、ぺたりと壁に凭れ そのまま腰を落とした。 「司?」
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