彼女の願い。

8/19

1144人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ
やっぱり兄妹、と 言うべきだろうか? 『…君は彼と一緒になるべきだ。私は応援するから』 あの時…。 真継君も、司がわたしを好きだと気付いて 一度身を引こう、応援する なんて言ってた。 「司は撫子ちゃんの事、どう思ってるの?」 わたしは確認した。 「…ど、…どうって…、うぜーお嬢さまだけど…けど…」 司は恥ずかしそうに膝小僧に顔を埋めた。そして、ばっと顔をあげた。 「ああっ!好きだよ!なんか文句あるのかよ!」 照れ隠しに怒ったように振る舞った司に、わたしは微笑ましくわらう。 「それ、撫子ちゃんに言った?」 「……い、言うわけないだろ」 ――やっぱり。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1144人が本棚に入れています
本棚に追加