彼女の願い。

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「古崎、見なかったか?」 七美は唖然としながら、苦笑して思い出したように言った。 「古崎さんなら…、あ 確か首藤って人と中庭に二人でいたわよ?さっき会ったし」 七美は事情が飲み込めてないようだ。 「さんきゅ…!」 司は、すぐに走り出した。 わたしも慌てて その後を付いていく。 「……な、何?」 「ごめん、七美っ。後でいくから」 一応 謝っておこう。 人並みをかき分けて、中庭へ向かいながら 司は言った。 「か…勘違いするな…?俺は日和った奴がムカつくだけだ」 「うん、解ってる」 撫子ちゃんも、逆らえない突拍子もない結婚話を 誰より司に反故して欲しいはずなんだ。 目には見えないから、せめて そんな形で答えが欲しかった。 そうだよね?
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