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彼女の願い。
「ち、遅刻!」
わたしは朝から目まぐるしかった。
いつもより15分寝過ごしてしまったからだ。
真継君は起こしてくれてたらしいけど…。
どたばたとトーストを食べ、牛乳で流し、髪もはねたまま家を出る事にした。
「こんなに早くいくのか?」
「うん、始まる前に朝礼があるの。え、えと…一般の人は9時から入れるから。き、来てね…」
「ああ」
もじもじと恥ずかしがるわたしに、真継君はキスをした。
「なっ……」
びっくりして身体を離したから、厚い扉に後頭部を打ち付けてしまう。
「朝の接吻は夫婦の日課だと聞いた」
ま、また…。
だから最近 出掛ける前に、毎度…。
誰が吹き込んだかは目に見えてた。
「あっ、ありがとう。じゃ、また学校でね」
わたしは学校へ急いだ。
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