やることない夏休み

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「まず吸収能力者というのは、この前の戦いをみてわかると思いますが、『奴ら』の血を吸うことで戦っています。ですが、これはただ血を吸っているだけでなく、相手の能力も吸っているんです。」 「そうなのか……だけど、なんでエリスはやめろなんて言ったんだ?」 「簡単な話です。このまま吸い過ぎると私は『奴ら』になります。」 「……は?」 「当たり前です。私は吸っていますが、吐いてはいません。体の中に溜め込んでいるんです。だから『奴ら』の能力を使えますが、『奴ら』にも近づくんです。」 「まじかよ……」 話は想像以上に深刻だった。 「だけど、私はやめません。『奴ら』の発生源を潰すまでは……」 紅音は本気だった。 「なら、俺はとめない。紅音がやりたいようにやればいい。もし『奴ら』になりそうだったら、『奴ら』にならない方法を探せばいい」 「神人さん!?」「先輩……」 二人は驚いていた。 当たり前か……だけど、俺はこいつを信じてみようと思う。 「わかりました、神人さんがそういうなら私もとめません。ですが、限界を感じたら私達に言ってください。」 「エリス先輩……はい!!」 紅音は笑顔だった。
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