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今日も外の騒がしさに起こされた。僕はさっそく外を睨みつける。すると、いつもと同じように黒い線の上に小さな生き物が4ついる。
ジャンプすれば届く距離だけど、それが出来ない。何か見えない壁があって僕の邪魔をする。
だから今日も、僕は黙って痛いような視線をその生き物にぶつけるしかできない。
時間が経つとその生き物はどっかに飛んで行く。
「今日も追っ払ってやったぞ」
そう叫びたくなるほどの充実感に満ちていると、どこからかいい匂いがしてきた。
そういえばお腹が減ってきたな。さっそく食べに行こう。
僕は勢いよく匂いの元へと走った。床がちょっと滑りやすいけど関係ない。滑るのも楽しかったりする。
食べ物のところに行くと、いつも僕を見ている生き物がいる。
その生き物はいつも喋りながら僕の頭や喉を撫でたり、抱きかかえたりしながら僕に話しかける。
「悪いけど何言ってるかわかんないよ?」
そう言ってもまだ話しかけてくる。ま、別にいいけどね。何かと僕の身の回りのことやってくれてるみたいだし。
でも、そんなことされてると、思うんだよね。
「僕はいったい何なんだ?」
この場所には僕と同じ形の生き物はいない。
僕が見たことあるのは空を飛べるやつと、いつも話しかけてくる二つの足で歩いてる変な生き物だけだ。
この生き物は僕と違って、毎日どこかへ行っちゃう。それから戻ってくるまでは僕は一人になる。
だからその間に自分と同じ形の生き物を探してるんだけど、いつも見つからない。
この前、見つけたと思ったけど、今ではそれが僕なんだと気付いた。
さぁご飯も食べたし、僕一人になったし、さっそく僕が何なのか調べよう。
頭ではそう考えていても体が満腹感でいっぱいになって動かない。とりあえず昼寝でもしようかな。はぁ。
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