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ん?ちょっと寝過ぎたかな?まだ眠いけど、そろそろ起きよう。自分が何なのか調べなきゃ。
と言ってもどうすればいいんだろ?誰かに聞きたいけど、何言ってるかわかんない生き物ばっかりだしな。
せめて同じ形の生き物に会えれば何かわかると思うんだけど。
この壁に囲まれた場所からは出ることができない。とりあえず外を偵察しよう。
頭の中では颯爽と見えない壁に近づいているのに、体は少し重たくて動きが鈍い。
お腹すいたなぁ。いや、空腹感よりまず偵察だ。
やっと着いたけど、やっぱりどこにも同じ形の生き物はいないな。
はぁ。ごはん食べよ。食べてばっかりだな。関係ないけどね。食べ物がそこにあるのに食べないのは、もったいないもんね。
よし、ごはんの所に出発だ。あれ?さっきより体が軽いのは気のせいかな?
さてと、ごはんも食べたし、捜査を再開しよう。
とは言うものの外を偵察する以外に何をすればいいかわからない。
しかたないから、また偵察でもしようかな、と思ったけどまた眠たくなってきたな。
でもさっき寝たばっかりだ。ここは我慢し……
何かまた外が騒がしいな。ってあれ?僕は寝てたのか?
今日も時間をムダにしたな。まあいいか、それよりうるさいやつらを追い払わなくちゃ。
急げ急げ、それが僕のたった一つの仕事なんだから。
やっぱり黒い線の上にいる。空の色は寒くなるとやってくる暖かい世界の上にいつもある甘くてすっぱいやつの色だ。
そんな奇麗な色の時にいつもやってくるな。まったく……毎日ヒマなやつらだな。
僕なんか自分探しで忙しいっていうのに。また僕の『必殺イカツイ顔』で逃げ去るがいい。
「必殺イカツイ顔」
ムッ、今日はなかなか逃げないぞ。仕方ない、次の手段『見えない壁叩き』に移るか。
「このやろ、このやろ、これでもか」
お、こっち向いた。よし、この作戦は有効みたいだ。どんどん叩くぞ。
「さぁ、さっさと逃げるがいい。今すぐ逃げれば見逃してやろう」
本当は何もできないけどここは怖がらせるために、こんなことを言ってみたりする。
そしたらやっと飛んで行った。ふん、ようやく僕の恐ろしさに気付いたみたいだな。
はぁ。追い払ったのは良いけど、ずっと外を見ているのは飽きたな。
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