事件

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「ぷっ、あははははは」 「俺はいったい、なにを思いなやんでいたんだ」 「考えれば、すぐわかることじゃねぇか」 そう、おれは親父が引いたレールの上を律儀に歩いていただけだった。 親父はもういない、死んだんだ、おれが殺したんだ。 例え、生きていたとしても、律儀に守ることじゃない。 それに、俺は親父という名高い壁をこえた。 もう、俺は自由だ。 「ファザコンかよ、俺は・・・」 いままでの自分に呆れつつ、ひさひざに大笑いした。
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