三話め

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 ……かくして。 「はっきり言うけど? 私とまーニィの場合、恋人はもちろん、普通に結婚も出来るんだからね?」 「――フンッ!  だからどうしたと言うんだ?  こっちは、お前がいなくなった数年間で、かなりの親密化が進んでいたのだ!  今更、しゃしゃり出るかの様にやって来て、簡単に私の兄を横取りされてたまるかっ!」 「そ、それは……私も、親の都合とかあって、なかなかこっちに戻れなかったからよっ!  高校になって、ちょっとは融通が利く様になって……んで、一年掛けて拝み倒して、なんとかこっちの学校に転入出来たんだから!  これでも、早かった方なのよ!  ――分かる?」  互いにいがみ合う形で対峙する梨佳と彩音がいた。 「……分からないな」 「分からなくても分かると言いなさいっっ!」  そして、ひたすらふざけた会話でページを埋め尽くす二人。 「……さて、メシでも食いに戻るかな」  やにわに騒ぐ二人の口喧嘩……っぽい光景を見た秀は、間もなくそそくさと、その場から立ち去ろうとしてみせた。
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