1225人が本棚に入れています
本棚に追加
/839ページ
……しかし。
『コラ!
まーニィ!(兄)』
次の瞬間、見事にみつかった秀は、梨佳と彩音に素早く回り込まれる形で、とおせんぼを食らう。
どう言うわけか、息もぴったりな感じで、台詞も完全なステレオ状態になっていた。
「……てか、兄?
兄からも、何か言ってやれ?
『俺は、妹を世界一溺愛しているんだよっ!
社会がいまさらノコノコ出て来て、告白? ハッ! ふざけんな!』
――って感じの台詞を、格好よくビシッと言ってくれ!」
言った彩音は、かなりマジだ。
「……誰が、そんな恥ずかしい台詞を言うんだよ」
「――そうそう!
てか……さりげなく、また社会とかほざいて!
まーニィも、何か言ってよ?
『俺は小学ん時から梨佳一筋の男だったんだ。
大体、妹相手に本気の恋愛なんか出来るわけないだろ? 勘弁だぜ!』
――ぐらいは、言って!」
彩音の言葉に、負けじと梨佳も応戦してみせる。
なんて見苦しい戦いなのだろ~か?
最初のコメントを投稿しよう!