三話め

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 ……しかし。 『コラ!  まーニィ!(兄)』  次の瞬間、見事にみつかった秀は、梨佳と彩音に素早く回り込まれる形で、とおせんぼを食らう。  どう言うわけか、息もぴったりな感じで、台詞も完全なステレオ状態になっていた。 「……てか、兄?  兄からも、何か言ってやれ? 『俺は、妹を世界一溺愛しているんだよっ!  社会がいまさらノコノコ出て来て、告白? ハッ! ふざけんな!』  ――って感じの台詞を、格好よくビシッと言ってくれ!」  言った彩音は、かなりマジだ。 「……誰が、そんな恥ずかしい台詞を言うんだよ」 「――そうそう!  てか……さりげなく、また社会とかほざいて!  まーニィも、何か言ってよ? 『俺は小学ん時から梨佳一筋の男だったんだ。  大体、妹相手に本気の恋愛なんか出来るわけないだろ? 勘弁だぜ!』  ――ぐらいは、言って!」  彩音の言葉に、負けじと梨佳も応戦してみせる。  なんて見苦しい戦いなのだろ~か?
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