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『…………』
彩音と梨佳は、思わずポカンとなって、その場に立ち尽くした。
そして、気付くのである。
『……逃げたな……』
二人は、下手な双子よりシンクロする形で、こうと呟いてみせた。
……かくして。
「兄めぇっ!
私と言う可愛い女がいれば、それで十分だと言う事を、今夜のベッドあたりで、絶対に知らしめてやるからな!」
「まーニィめぇっ!
私と言う、最愛の女がいながら、どうして妹ごときに振り回されてるのよっ!
こうなったら、子供が出来るまで、徹底的に既成事実を作ってやるんだからっ!」
各々が、勝手に妄想めいた野心などをぐぉぐぉ言わせつつ、
秀の心を我が物にしようとする、乙女達の見苦しい戦いが……今、始まろうとしていた。
次回に続く!
‐三話め・おしまい‐
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