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いつもと変わらない朝。
揺れが激しいガラガラの電車。
つまんない朝だけど、あたしの心臓はドキ…ドキと緊張していた。
琴(次…次だ…!!)
海辺の駅に電車は停車し、三人の男子校生があたしの向かえに座る。
あたしは、とっさに寝たふりをした。
あたしは西塚琴(にしづかこと)。あたしには、片思いをしているひとがいる。
その彼の名前は、火野翼(ひのよく)。三人の中で、茶髪が目立つ、一番かっこいい男の子だ。
名前を知っているのは、あたしの大親友、成瀬茜(なるせあかね)と翼君が、幼なじみだからだ。
でも、まるで接点がないのは、茜と翼は昔付き合っていて、絶交状態だし、まず話す機会がない。
毎日朝は同じ電車、真向かい。
帰りは一緒じゃないときの方が多い。
こんな毎日が、あたしが中1のときからつづいている。
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