一人目 大家(オオヤ)さん

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「なんじゃそんなことか。会えばわかる。皆、クセが強いがなぁ」  クセか。不安だけど、あんた以上の変態には会わない気がする点は安心できる。 「暑いな。アイスでも買ってあげよう」 「その格好でお店入るんですか!?」 「むぅ……やはり駄目かの」  おっ? 意外とあっさり? ここは一気に押すべし! 「駄目ですよ! 商売の邪魔になりますし!」 「やはりか?」 「はい!」 「皆を釘付けにしてしまうのは、考えもんじゃなぁ。いやしかし、麗しきマイボデーならば、商売繁盛に繋がるやもしれん」 「……はい?」 「いざゆかん! コンビニへ!」 「駄目だ、こいつ」  僕は今日、学びました。諦めって肝心ですね。  コンビニに入ると、店員と数名の客が目を点にして俺達を見ている。いや、大家さんを、の間違いか。  中には、同じ高校のジャージを着た女子高生もいた。しかも美人! やめて! こっちみないでぇぇ。 「さて、アイスはどれにするかのう」  視線など無視して、90%裸のじい様がアイスを選ぶ姿は異様だった。
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